余りにも長いPKO

その余波はどこへ

余りにも長いPKO

都心の地価が急騰したバブル期には、本社さえも郊外に移した企業もあったが、最近では再び都心部にオフィスを構える企業が増加している。しかし同時に、長引く不況でオフィス需要は減少しており、都心回帰はあっても、オフィス市況は低迷している。マンションや戸建てのディベロッパーは住宅用地を競って買い漁っている。(中略)このことを実証するかのように、この二年ほど、住宅の価格(総額)の推移は下降線ではなく、横ばいを示している。(中略)全国各地の住宅地における公示価格は、九四年以降は概して下落幅が小さく高値が維持されている。住宅地の下げ止まりが市場メカニズムに沿って形成されつつあるのではなく、超低金利政策によって価格が下支えされているのである。(中略)九三年以降の長、超低金利政策は不動産市場全体のPKOではなく、住宅分野を対象としたPKOとなっているが、きわめて政策的な意図を持った価格の下支えは、市場メカニズムに任せたものではないだけに、将来に危険をはらんだ価格であることを認識する必要がある。大都市圏の商業地の価格は人為的になすすべがないまま市場価格が形成されつつあるが、住宅地の価格は下支えされたまま走り続けている。いずれ息切れが生じ、調整が行われることになるが、余りにも長いPKOの結果、その破綻後、回復への道程は長くてつらいものになる可能性が高い。そのときこそが住宅地価の本来の価値であり、土地神話が真に崩壊するときである」(印は筆者が今回、印したものである)このように、筆者は九六年に、住宅地価は超低金利と金融緩和に支えられて本来の利用価値に比べてまだ高止まりして、いずれ住宅需要の落ち込みによって価格調整を余儀なくされることを指摘しているが、まさに指摘した通りに九八年ごろから住宅地価の下落が本格化してきた。バブル崩壊後の地価の調整は、まずは商業地価から始まり、住宅地価の本格的調整は遅れて九八年から始まっている。言い換えれば、住宅地価の調整はこれからが本番である、全国の代表的都市の商業地と住宅地の個別地点の公示価格を指数化したものである。まず商業地を見ると、八六年と比較して、全地点とも半値くらいに大きく下落している。

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